ヨーロッパ旅行に、イギリスのSIM(スマホの電話番号や通信を管理している小さなカード)をそのまま持っていく人は多いはずです。
データ通信(インターネットにつなぐこと)を無料で使える範囲については、別の記事で説明しました。
でも「電話」や「SMS(ショートメッセージ)」も、同じように無料で使えるのか、気になりますよね。
結論から言うと、ほとんどの場合、電話やSMSもデータ通信と同じ無料の範囲に含まれます。
ただし、「どの国に電話をかけるか」によっては、思わぬお金がかかることがあります。
この記事では、イギリスの主なSIM会社ごとに、電話・SMSがヨーロッパでどう扱われるかを、できるだけわかりやすく説明します。
1. まず「ローミング」って何?
「ローミング」というのは、イギリスで契約したSIMを、外国(今回はヨーロッパ)に持っていっても、そのまま使える仕組みのことです。
本来、スマホの電波は契約した国の会社が出しているものです。
でも提携(協力し合うこと)している海外の会社の電波を借りることで、旅行先でも自分のスマホがそのまま使えるようになっています。
イギリスの多くのSIM会社は、ヨーロッパでのローミングを「無料」にしています。
つまり、イギリス国内で使える分をそのままヨーロッパでも使わせてくれる、ということです。
この記事で説明する「無料ローミング」とは、この仕組みのことを指しています。
2. 結論:無料ローミングの会社なら、電話・SMSも無料でついてくる
giffgaff・O2・VOXI・iD Mobile・Smartyといった会社は、ヨーロッパでのデータ通信を無料にしています。
こうした会社を使っている場合、イギリス国内で契約に含まれている「無料通話の分数」や「無料SMSの通数」も、そのままヨーロッパで使えることがほとんどです。
つまり「データ通信だけ無料で、電話は別料金」ということは、基本的にありません。
ここまで聞くと「じゃあ、電話もSMSも気にせず使っていいんだ」と思いますよね。
実はそのとおりなのですが、ひとつだけ気をつけたい例外があります。
次の章で説明します。
3. 気をつけたい例外:「第三国」への電話は無料にならない
「第三国(だいさんごく)」というのは、少し難しい言葉ですが、意味はシンプルです。
「今いる国」でも「イギリス」でもない、3つ目の別の国のことを指します。
【重要】イギリスの無料ローミングは、「今いる国の中で電話すること」と「今いる国からイギリスに電話すること」を想定して作られた仕組みです。
それ以外の国への電話は、無料の対象になっていません。
具体的な例で考えてみましょう。
今、あなたはフランスを旅行しているとします。
フランスの中で友達に電話をかけるのは無料です。
フランスからイギリスの家族に電話をかけるのも無料です。
でも、フランスにいる間に、隣の国スペインにいる友達に電話をかけると、話が変わります。
これは「第三国(この場合はスペイン)への国際電話」として扱われて、無料の範囲には入りません。
別料金がかかってしまいます。
この決まりは、無料ローミングの会社を使っていても、後で説明する「日額パス」を払っていても、関係なく当てはまります。
ヨーロッパの複数の国を旅行する予定があって、訪れている国以外の番号に電話やSMSをする可能性があるなら、この点は覚えておいてください。
ただし、抜け道もあります。
WhatsApp(ワッツアップ)やLINEのような、インターネットを使って通話・メッセージを送るアプリなら話は別です。
これらは電話回線ではなくデータ通信を使うので、「第三国」というルールの影響を受けません。
データ通信さえ無料の範囲に入っていれば、どの国の相手とやり取りしても追加料金はかかりません。
4. そもそも無料ローミングの会社を使っていない場合
ここまでは、giffgaffやO2のような「ヨーロッパのローミングが無料」の会社を前提に説明してきました。
でも、EE・Sky Mobile・BT Mobileや、ThreeとVodafoneのPAYG(プリペイド、つまり前払いタイプの契約)は、そもそも無料ローミングの対象外です。
この場合は、ここまでの説明がそのまま当てはまりません。
こうした会社では、「日額パス」というものを買う必要があります。
日額パスとは、「1日〇〇ポンド払えば、その日だけヨーロッパで使い放題になる」というチケットのようなものです。
たとえばEEの場合、1日あたり2.47ポンドのパスを買うと、その日はデータ通信・電話・SMSがまとめて使えるようになります。
ここで気をつけたいのは、「電話だけ我慢すれば日額パスを払わなくて済む」という考え方は、あまり意味がないということです。
日額パスは、データ・電話・SMSがセットになっているので、「その日パスを払うか、払わないか」の二択で考えるほうがシンプルです。
5. 会社ごとの一覧表
ここまでの内容を、会社ごとに表でまとめました。
「訪問国内・イギリス向け」は、今いる国の中や、イギリスへの電話・SMSのことです。
「第三国向け」は、それ以外の国への電話・SMSのことです。
| 会社 | 訪問国内・イギリス向け通話/SMS | 第三国向け通話/SMS |
|---|---|---|
| giffgaff・O2・VOXI・iD Mobile・Smarty | 無料枠内(イギリス契約分をそのまま利用) | 対象外、別料金がかかる |
| Vodafone(Xtra系プラン) | 無料枠内 | 対象外 |
| EE・Sky Mobile・BT Mobile | 日額パス(例:£2.47/日)にデータと合わせて含まれる | 対象外、別料金 |
| Three(PAYG) | 通常残高の範囲で無料 | 対象外 |
| Three(Pay Monthly・2025年12月18日以降の新規) | 2026年4月以降、日額£2.75のパスに含まれる | 対象外 |
| Vodafone(PAYG) | 日額£2等のパスに含まれる | 対象外 |
6. 不安なときの対策:連絡はアプリを使おう
「自分のSIMがどのパターンに当てはまるのか、正直よくわからない」という人もいると思います。
そんなときは、無理に電話やSMSの仕組みを完璧に理解しようとしなくても大丈夫です。
一番かんたんな対策は、連絡手段をWhatsAppやLINE、iMessageのようなアプリに寄せてしまうことです。
これらのアプリは、電話回線ではなくデータ通信を使って通話やメッセージを送ります。
データローミングさえ無料の範囲に収まっていれば、電話・SMSの複雑なルールを気にする必要がなくなります。
たとえば、日本にいる家族との連絡も、電話やSMSではなくLINE通話にしておけば、イギリスの通話料金プランには一切影響しません。
相手もアプリを使える状況なら、これが一番シンプルで確実な方法です。
データローミングの無料枠について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を見てみてください。
イギリスの通信会社全体の仕組みについてはこちらの記事で解説しています。
まとめ
- 無料データローミングの会社なら、電話・SMSも基本的に同じ無料の範囲に入っている
- 「第三国」(今いる国でもイギリスでもない、別の国)への電話・SMSは無料にならないので注意する
- そもそも無料ローミングの対象外の会社は、「日額パス」を買うとデータ・電話・SMSがまとめて使える
- 不安なときは、WhatsAppやLINEなどのアプリで連絡すれば、複雑なルールを気にしなくていい
無料ローミングのルールが複雑で不安なら、日本語サポート付きのGlocal eSIMという選択肢もあります。
※各社の料金・対象条件は変わることがあるため、旅行の前には必ず契約中の会社の公式サイトで最新の情報を確認してください。

