イギリス留学 SIMで悩む人がまず考えるのは、「わざわざ現地でSIMを買うのは面倒。今使っているahamoやpovo、楽天モバイルのままで乗り切れないかな」ということだと思います。
結論から言うと、1〜2週間の短期旅行なら日本のSIMのままで十分ですが、数ヶ月にわたるイギリス留学では「日本のSIMだけ」はかなり厳しいです。
この記事では、ahamo・povo・楽天モバイルの3つの日本のキャリアを例に、実際の料金と落とし穴を具体的に調べました。
なぜイギリス留学にSIMがそのままでは使いにくいのか、その理由を数字で確認したうえで、イギリスのSIMへの切り替え方まで案内します。
1. 結論:イギリス留学 SIMは短期旅行ならOK、数ヶ月の留学は非現実的
1〜2週間程度の旅行なら、ahamoや楽天モバイルの無料の海外ローミング枠だけで、追加のお金を払わずに済むことがほとんどです。ですが、留学のように数ヶ月イギリスに住み続けるとなると、話が変わってきます。
理由は大きく2つあります。
1つ目は、どのキャリアも「長期間・大容量」を想定した値段設計になっていないことです。使い続けるほど割高になったり、途中で使えなくなったりします。
2つ目は、データ通信の量とは別に、「イギリスの電話番号」そのものが必要になる場面が多いことです。
この2つを、キャリアごとに具体的な数字で見ていきます。
2. ahamo(ドコモ)——短期は最強、でも「15日ルール」が留学には致命的
ahamoは、イギリスを含む91の国・地域で、追加料金なしで海外ローミングが使えます。
データ容量は国内と海外を合わせて月30GBまでです。月額料金(2,970円)以外の追加費用はかかりません。
ここまで聞くと「じゃあahamoで十分では?」と思うかもしれませんが、ここに大きな落とし穴があります。
「15日ルール」がイギリス留学 SIMとして致命的な理由
海外での連続利用が15日を超えると、通信速度が最大128kbpsまで落とされてしまいます。128kbpsは、Webページの表示にも時間がかかるレベルの遅さです。地図アプリの利用やLINEの通話は、ほぼ不可能になります。
しかも厄介なことに、この速度制限は日本に帰国してデータ通信をしても解除されず、次の更新月まで持ち越されます。
つまり、イギリス留学のために渡航すると、だいたい2週間ちょっとで、Wi-Fi環境でしか使えなくなるということです。
1〜2週間の短期旅行には最強の選択肢ですが、留学のような長期滞在とは、そもそも設計思想が合っていないのです。
短期の渡航や下見旅行にはahamoも選択肢
まだahamoを使っていない人で、渡英前の短期の下見旅行やイギリス以外の海外旅行にも頻繁に行く予定がある人には、乗り換えの選択肢として検討する価値はあります。
SIMのみでの乗り換えで20,000ポイントプレゼントのキャンペーンが実施されています。条件・実施状況は変更されることがあるので、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。![]()
ただし、これはあくまで「短期の海外利用」や「渡英前の準備期間」に向いた選択肢です。留学中のメイン回線として使い続けることは推奨できません。
3. povo2.0(au)——都度購入のトッピング制で、長期滞在は手間もコストもかさむ
povoは、国内用のデータトッピングがそのままでは海外で使えず、「国際ローミングトッピング」という海外専用のパッケージを別途購入する仕組みになっています。
イギリスは「エリアトッピング(ヨーロッパ9カ国)」の対象で、料金は次のとおりです。
| データ容量 | 有効期間 | 料金 |
|---|---|---|
| 1GB | 3日間 | 840円 |
| 3GB | 7日間 | 2,430円 |
これを単純に1ヶ月(30日)分に置き換えると、3GB/7日間のパッケージを4回買い足す形になります。合計で約9,720円を払って、使えるデータはたったの12GBほどという計算になります。
povoは「短期旅行でピンポイントに使う分には便利だが、数ヶ月間ずっと買い足し続けるのは現実的ではない」というのが率直な評価です。
買い忘れて通信が止まる、というトラブルが起きやすいのも、長期滞在では地味にストレスになるポイントです。
4. 楽天モバイル——唯一「継続利用」できるが、2GBでは全く足りない
楽天モバイル(Rakuten最強プラン)は、イギリスを含む107の国・地域で、月2GBまで、追加設定も追加料金も不要で自動的に海外ローミングが使えます。
3キャリアの中で唯一、「毎月継続して、手続きなしで使い続けられる」設計になっているのが特徴です。
2GBを超えた分は、1GBあたり500円で追加チャージできます。
ただし、2GB/月というのは、地図アプリとLINEのメッセージくらいなら何とかなっても、動画視聴やビデオ通話込みの日常使いには明らかに足りません。
足りない分を500円/GBで買い足していくと、結局イギリスの格安SIM(giffgaffなど)よりも割高になりやすいです。コスト面でのメリットは薄れていきます。
楽天モバイルは、「留学中のメイン回線」としてではなく、「日本の電話番号・LINEアカウントを維持するための、いわば控えの回線」として持っておく、という使い方が一番現実的です。
この使い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
5. 参考:ドコモ・au・ソフトバンクの従来サービスは、月換算するとさらに非現実的
ドコモ・au・ソフトバンクの従来型プランにも、1日単位で使える海外データサービスがあります。
ただし、いずれも「短期の旅行者」向けの値段設定です。留学のような長期滞在で使うと、月換算でかなりの金額になります。
| サービス | 1日あたりの料金 | 30日分に換算すると |
|---|---|---|
| ドコモ「世界そのままギガ」 | 980円〜 | 約29,400円〜 |
| ドコモ「世界ギガし放題」(無制限) | 最大2,980円 | 最大約89,400円 |
| au「世界データ定額」 | 980円(予約で690円〜) | 約20,700円〜約29,400円 |
| ソフトバンク「海外あんしん定額」(無制限) | 980円/24時間 | 約29,400円 |
1日単位で見ると「980円くらいなら」と思ってしまいますが、1ヶ月分に積み上げると3万円前後、無制限プランだと9万円近くになります。
数ヶ月の留学期間ずっとこれを続けるのは、現実的な選択肢とは言えません。
【重要】料金はサービス改定・キャンペーンにより変更されることが多いため、実際に使う前には必ず各社公式サイトで最新情報を確認してください。
6. 「イギリスの電話番号」がないと困る場面
ここまではデータ通信量の話でしたが、実はもう1つ、見落とされがちな問題があります。
それは、「イギリスの電話番号」そのものを求められる場面が、生活の中に意外と多いということです。
たとえ楽天モバイルの2GBで通信自体は足りても、この問題は解決しません。
- 銀行口座の開設:Monzo・Starlingのようなデジタルバンクを含め、SMS認証にイギリスの電話番号を求められることが多い
- 大学・語学学校への緊急連絡先の登録:現地の電話番号での登録を求められるケースがある
- UberEats・Deliveroo等の配達連絡:国際SMSがうまく届かない、通知が安定しないという声がよく聞かれる
- GP(かかりつけ医)の予約確認:イギリスの電話番号宛てに連絡が来る前提で運用されていることが多い
- Amazon.co.uk等、現地ECサービスの本人確認:イギリスの電話番号でのSMS認証を求められる場面がある
こうした場面に何度もぶつかると、そのたびにストレスを感じることになります。
「通信量さえ足りればいい」という話ではなく、イギリスでの生活基盤そのものに、イギリスの電話番号が組み込まれていると考えたほうが実態に近いです。
7. イギリス留学 SIMの結論:留学生におすすめの現実的な使い方
ここまでの内容を踏まえると、現実的な使い方は次のようになります。
- 渡英直後の1〜2週間だけ:ahamoの無料ローミング枠などで乗り切る(15日以内なら無料・無制限で快適)
- 生活が落ち着いたら:イギリスのSIM(またはPay Monthly契約)に切り替えて、そちらをメイン回線にする
- 日本の電話番号は:楽天モバイルなどの月2GB無料枠を使って、解約せずに維持しておく
「メインはイギリスのSIM、日本の番号は維持用に格安で残す」という2本立てが、コスト面でも生活の快適さの面でも、一番バランスが取れています。
イギリスのSIMの具体的な選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
どのブランドを選べばいいかはこちらの記事、EE・giffgaff・O2など主要ブランドの特徴はこちらの記事、渡英直後でも契約できるかどうかの審査についてはこちらの記事で、それぞれ詳しく紹介しています。
まとめ
- 1〜2週間の短期旅行なら、日本のSIMの無料ローミング枠だけで十分足りることが多い
- ahamoは無料で快適だが、海外での連続利用15日を超えると速度制限がかかり、留学には不向き
- povoはトッピングの都度購入制で、長期滞在では手間もコストもかさむ
- 楽天モバイルは継続利用できるが月2GBでは全く足りず、日本の番号を維持する用途が現実的
- データ量以外にも、イギリスの電話番号がないと不便な場面が多い
- 留学生は「メインはイギリスのSIM+日本の番号は維持用に残す」の2本立てが現実的
※料金・サービス内容は各社の改定により変更されることが多く、記載の金額は調査時点のものです。
実際に契約・利用する前には、必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。

