イギリスに来てすぐ、携帯電話の「月払い契約(Pay Monthly)」を申し込んだら、審査に落ちてしまった。
そんな経験をした人は、実は少なくありません。
これには、はっきりした理由があります。
日本で積み上げてきた「信用」は、イギリスには引き継がれないからです。
イギリスに来たばかりの人は、携帯会社から見ると「信用の記録がまったくない、初めましての人」として扱われます。
この記事では、なぜ審査に落ちてしまうのか、そしてどうすれば通りやすくなるのかを、順番に説明します。
1. そもそも「審査」って何を見られているの?
イギリスの「月払い契約(Pay Monthly)」は、実は「毎月の利用料金を、後払いで貸してもらう」という約束に近いものです。
お金を貸す側の携帯会社としては、「この人はちゃんと毎月払ってくれるだろうか」を、前もって確認しておきたいわけです。
この確認作業のことを「審査」と呼びます。
この審査で使われるのが「信用情報(クレジットヒストリー)」というものです。
これは、「この人は今までちゃんと支払いをしてきた人か」という記録のことです。
イギリスでは、Experian・Equifax・TransUnionという3つの会社が、この記録を管理しています。
ここで問題になるのが、この記録は国をまたいで引き継がれないということです。
日本で何年もクレジットカードをきちんと使ってきた人でも、イギリスの記録上は真っさらな状態からのスタートになります。
いわば、「イギリスで生まれて初めて口座を作る人」と同じ扱いです。
さらに、以下のような状態が重なると、審査はより通りにくくなります。
- NI番号(National Insurance Number。日本のマイナンバーのような、国の管理番号)をまだ取得していない
- 銀行口座を開設したばかりで、口座の利用実績がほとんどない
- 今の住所に住み始めてから、まだあまり日が経っていない
これらはどれも、「この人が本当にイギリスに根を下ろして生活しているか」を確認するための材料です。
イギリスに来たばかりの段階では、こうした条件がまだ整っていないことが多いため、審査に通りにくいのです。
2. 対策①:審査がいらない「前払い」から始める
一番かんたんな方法は、そもそも審査が必要ない契約から始めることです。
giffgaff・VOXI・Lebara・1pMobileといった会社は、「PAYG(前払い)」専門のブランドで、審査がありません。
お金を先にチャージしてから使うタイプなので、会社側もリスクを負う必要がなく、誰でも契約できます。
契約に縛りもないので、多くの人はこれを「つなぎ」として使っています。
イギリスでの生活の土台(銀行口座、住所の証明、NI番号など)が整うまでの数ヶ月間だけPAYGを使い、そのあとで月払い契約に切り替える、という流れです。
3. 対策②:契約自体が「信用の実績」になる
【重要】もし大手の会社の審査に落ちてしまっても、あきらめる必要はありません。
月払い契約は、「借りて、期限どおりに返す」を毎月くり返す仕組みです。
これはつまり、契約に通って、毎月きちんと支払いを続けること自体が、イギリスでの「信用の実績」を積み上げる行動になる、ということです。
そこでおすすめなのが、審査の基準が比較的やさしいとされる格安ブランド(MVNO)や、料金の安いプランから契約を始める方法です。
そこで延滞せずに支払いを続けていくと、半年から1年ほどで、大手の会社やもっと条件のいいプランにも申し込みやすくなっていきます。
4. 対策③:審査に通りやすくなる下準備
携帯電話の審査そのものとは別に、次のようなことを先に済ませておくと、審査に通りやすくなると言われています。
- イギリスの銀行口座を開設しておく:月払い契約は、銀行口座からの自動引き落とし(Direct Debit)が基本になるため、口座がないとそもそも契約できません。
- 選挙人名簿(Electoral Roll)に登録できるなら登録しておく:これは、住んでいる場所を証明する公的な記録の一つで、信用情報を確認するときにも使われます。
- できるだけ同じ住所に長く住んでから申し込む:何度も引っ越していると、審査で不利になりやすいと言われています。
- ClearScoreやExperianの無料アプリで、自分の信用スコアを確認しておく:申し込む前に、自分が今どのくらいの評価なのかを知っておくと安心です。
5. それでも審査に通らないときは
いろいろ対策をしても審査に通らないときは、無理に月払い契約にこだわらなくても大丈夫です。
気長に待つ、という選択肢も十分にありです。
イギリスでは、学生やワーキングホリデーで来ている人を中心に、PAYG(前払い)のまま長い期間を過ごす人も珍しくありません。
もし気になるのがスマホ本体の代金だけなら、方法があります。
スマホ本体はSIMフリー(どの会社のSIMでも使える状態)のものを別に購入し、SIMのほうは審査のいらないPAYGにする、という組み合わせです。
これなら、月払い契約とほぼ同じような使い勝手を実現できます。
イギリスの通信会社全体の仕組みや、月払い・前払いの違いについてはイギリスの通信会社比較の記事で、さらにくわしく説明しています。
まとめ
- イギリスに来たばかりのころは、信用情報がゼロなので、月払い契約の審査に落ちやすい
- giffgaff・VOXI・Lebara・1pMobileなど、審査のいらない前払い(PAYG)から始めるのが現実的
- 月払い契約を延滞なく続けること自体が、イギリスでの信用の実績になる
- 銀行口座の開設・選挙人名簿への登録・同じ住所に長く住むことが、審査の通りやすさにつながる
審査なしでまず使ってみたいなら、日本語サポート付きのGlocal eSIMも検討候補になります。
※審査の基準は会社や時期によって変わるため、必ず通るとは限りません。
最新の審査条件は、各社の公式サイトで確認してください。

